英語長文が読めない子の3タイプ診断と対処法ー塾講師15年ー

A cheerful flat illustration of three reading-type icons (magnifier, bicycle, map) with a hopeful student and parent, bright warm colors.

英語長文が読めない子には、3つのタイプがあります。
そしてタイプによって、やるべきことが全然違います。

今までは「何をするか」をお伝えしました。
でも「うちの子には何から始めればいいか」は、タイプによって変わります。

タイプを間違えたまま対策を続けると、1年やっても変わらないことがあります。
だからこの記事では、まず9問でタイプを診断します。

そのタイプに合った対処法・教材・声かけを、順番どおりにお伝えします。
読み終わったとき「今日から何をすればいいか」が明確になる状態を目指します。

この記事について

この内容は、塾で個別に指導している内容を、家庭で再現できる形にまとめたものです。

面談や授業で何度も伝えている内容を、順番・やり方・声かけまで含めてすべて言語化しています。

※塾で実際に使っている教材を紹介しています。
※リンクにはアフィリエイト広告を含みますが、紹介する教材は普段おすすめしているものだけです。

この記事はこんな人向け
  • 何をしても英語長文が伸びないお子さんがいる方
  • 「うちの子は何から始めればいいの?」と迷っている方
  • タイプ別に、対処法・教材・声かけまで知りたい方

この記事のポイント
  • 読めない子は3タイプ。原因がそれぞれ違う
  • タイプを間違えると、1年やっても変わらない
  • タイプ別に「今日から何をするか」がわかる

はじめに——なぜタイプ診断が必要なのか

単語を覚えても読めない。
問題集をやっても伸びない。
返り読みを直したのに、まだ遅い。
こういう子に共通しているのは、原因の特定が間違っていることです。

風邪をひいたとき、症状によって薬が違いますよね。
頭痛薬を飲んでも、原因が胃腸炎なら治りません。

タイプAの子にタイプBの対処をしても、意味がありません。

むしろ遠回りです。

だから、まず診断から始めます。

タイプ診断(9問)

診断リストを見る保護者

お子さんに当てはまるものに、✅を入れてください。

  • □ Q1.わからない単語が出ると、頭が止まる
  • □ Q2.読み終わっても、何の話か人に説明できない
  • □ Q3.英語は授業と宿題以外、ほぼやっていない
  • □ Q4.意味がわからないと、前に戻って読み直す
  • □ Q5.記述問題で何を書けばいいかわからず、空欄が多い
  • □ Q6.英語の長文を読む時間が、1日5分もない
  • □ Q7.単語を一個ずつ日本語に訳しながら読む
  • □ Q8.読んだ後に「なんとなく読んだ」感覚が残る
  • □ Q9.長文問題集を買ったけど、続かなかったことがある

Q1・Q4・Q7=タイプA

Q3・Q6・Q9=タイプB

Q2・Q5・Q8=タイプC

一番✅が多かったグループが、お子さんのタイプです。

結果発表|お子さんはどのタイプ?

3タイプのアイコン

タイプA:丁寧すぎる読み方タイプ

(Q1・4・7が多い)

英語が嫌いなわけではなく、むしろ真面目。

でも、その真面目さが裏目に出ています。

一語一語を完璧に理解しようとして、全体の流れを見失う。

悪いのは性格ではなく、読み方です。読み方を直せば、一気に変わります。

タイプB:圧倒的に量が足りないタイプ

(Q3・6・9が多い)

やり方が悪いのではなく、そもそも英文を読む絶対量が足りていません。

自転車の乗り方を教わっても、漕がなければ乗れない。
それと同じ状態です。

毎日5分から始めるだけで変わります。難しい問題集は要りません。

タイプC:全体像が見えないタイプ

(Q2・5・8が多い)

単語も文も読めている。
でも、読み終わった後に何の話か説明できない。

木は見えても、森の形が見えていない状態です。
記述の空欄が多いのもこのタイプ。

地図の作り方を覚えるだけで、点数が一気に変わります。

どれも同じくらいついた人は「複合タイプ」です。
一見大変そうですが、優先順位をつけて一つずつ直せば大丈夫。

✅が一番多かったタイプから始めてください。

タイプこんな子まずやること
A 丁寧すぎる単語で止まる・戻る・訳しすぎる「捨てる」練習・時間制限
B 量が足りない読む量が絶対的に少ない毎日5分・簡単な教材
C 全体像が見えない読めるが何の話か言えない予測・段落メモ

タイプA「丁寧すぎる読み方」の対処法

ステップ① まず「捨てる」練習をする

タイプAの子に、一番最初にやってもらうこと。
それは、わからない単語を「捨てる」練習です。

  • ❌ 止まって考える
  • ❌ 前に戻る
  • ⭕「(?)」とメモして、先に進む

「(?)」は、読み終わった後に確認すればいい。
最初は気持ち悪いですが、1週間続けると慣れます。

ステップ② 「?」が何割あれば読めるか体感する

わからない単語に全部「(?)」をつけて読み、その数を数える。
そして、もう一度読んでみます。

補足ポイント

「(?)」があっても、意外と話の流れはわかる、と気づきます。

単語が3割わからなくても、話の7割は掴めます。

これを体感した子は、わからない単語への恐怖がなくなります。

ステップ③ 制限時間を決めて読む

タイプAの子に効くのが、時間制限です。
「1段落2分以内」というルールを作るだけでいい。

時間があると、丁寧に読みすぎる。
制限があると、自然に「全部理解しなくていい」モードになります。

2分→1分30秒→1分と、少しずつ短くしていくだけで速くなります。

タイプB「圧倒的に量が足りない」の対処法

ステップ① 5分を死守する

タイプBの子に、一番最初に言うこと。
「30分やろうとしないでください」

30分やろうとするから、続かない。
5分でいい。
毎日5分を死守します。

寝る前の5分、スマホを置いて英文を1題読む。歯磨きと同じ感覚で大丈夫です。

ステップ② 「簡単すぎる」と感じる教材から始める

タイプBの子が陥りがちな罠。
難しい問題集を買って、続かなくてやめる。

これを何百回も見てきました。

スラスラ読めると楽しくなる。

楽しくなると続く。

続くと量が増える。

量が増えると速くなる。

この順番を崩さないことが大事です。

ステップ③ 読んだ記録をつける

タイプBの子に特に効くのが、記録です。
カレンダーに✅をつけるだけでいい。

連続記録が続くと「途切れたくない」という気持ちが生まれます。
ゲームのログインボーナスと同じ心理です。

三日坊主を防ぐ、一番シンプルな方法です。

タイプC「全体像が見えない」の対処法

ステップ① 読む前に「予測」する

タイプCの子に、一番最初にやってもらうこと。
読む前に、タイトルと最初の1文だけ見て「どんな話だと思う?」と予測します。

予測があると「やっぱりそうか」「あれ、違う方向だ」という気づきが生まれます。
地図を持って歩くか、地図なしで歩くかの違いです。

予測が外れても大丈夫です。

ステップ② 段落ごとに一言メモを書く

段落を読んだら、余白にこの形でメモします。
「(登場人物・テーマ)が(どうした・どう思った)話」

補足ポイント

例:「科学者が地球温暖化の原因を説明している話」「主人公が友達との別れを悲しんでいる話」

主語と述語だけでいい。難しく書かなくて大丈夫です。

このメモが、設問を解くときの地図になります。

ステップ③ メモを見て「全体を一文で言う」練習

全段落のメモが揃ったら「つまりこの文章は〇〇の話」と一文でまとめます。
うまくまとめられないのは、まだ地図が完成していないということ。

どのメモが足りないかを確認して、その段落だけ読み直す。
これを繰り返すと、全体像を掴む力が自然についていきます。

実際におすすめしている教材3冊

ポン先生
ポン先生

本屋に行くと問題集が多すぎて選べない、

という声をよく聞きます。

これだけ買えば大丈夫、という3冊を紹介します。

タイプA・C向け|「入試完成シリーズ 英語長文問題の解き方」(好学出版)

返り読みを直したい子・全体像を掴む練習をしたい子に、最初に渡す1冊です。

  • 1題が短く、短い文章からスタートできる
  • 解説が丁寧で、どこで詰まったか自分でわかる
  • 段落構造が見やすく、メモ練習に向いている

タイプB向け|「中学 標準問題集 英語長文」(受験研究社)

量が足りない子に渡す1冊です。
「続ける」ことを考えて作られています。

  • 繰り返し演習につながる
  • レベルが低めから始まり、挫折しにくい

全タイプ共通|「サミングアップ 中学英語」(エデュケーショナルネットワーク)

仕上げとして使う1冊です。
①か②で基礎を固めてから進んでください。順番が大事です。

  • 総合問題として適切
  • 解説が丁寧で、自学しやすい
  • 記述問題の練習が充実。タイプCの仕上げに最適

3冊全部は買わなくていいです。

お子さんのタイプに合った1冊だけ。

本棚に積まれた問題集より、1冊やり切った経験のほうが100倍大事です。

保護者の声かけ集(NG・OK)

NG/OKの吹き出し
ポン先生
ポン先生

シーン別の声かけをまとめました。

NGとOKをセットで覚えてください。

シーン❌ NGワード⭕ OKワード
内容がわからないと言うちゃんと読んだの?どんな話だったか、一言で教えて
問題集が続かないまた三日坊主。やる気がないの?今日5分だけやってみよう
テスト前に焦っているなんでもっと早くやらなかったの今からできることをやろう。何から始める?
点数が上がらず落ち込む勉強してるのに、なんで上がらないの点数より、前回より変わったことある?

声かけの共通ルール

責めない。

確認するだけ。

次の一手は子どもに決めさせる。

点数(結果)ではなく、成長(プロセス)を一緒に見つける。

「返り読みが減った」「最後まで読めた」「段落メモができた」——どれも立派な成長です。

点数は、後からついてきます。

おわりに

ここまで読んでくださって、ありがとうございます。
長かったですね。
最後まで読んだということは、それだけお子さんを真剣に考えている証拠です。

それだけで、十分です。

ポン先生
ポン先生

この記事のことを、全部やろうとしないでください。

当てはまったタイプの対処法を一つだけ。

教材は一冊だけ。声かけは一つだけ。

全部やろうとすると、全部続かなくなります。

英語長文が読めない子は、読む力がない子ではありません。

読み方を知らないだけ。
量が足りないだけ。
地図の作り方を知らないだけ。

どれも、直せます。
今日から、一つだけ始めてみてください。

この記事のまとめ
  • タイプA「丁寧すぎる子」→ 捨てる練習・時間制限
  • タイプB「量が足りない子」→ 毎日5分・簡単な教材
  • タイプC「全体像が見えない子」→ 予測・段落メモ
  • 教材は1冊だけ買う。全部は買わない
  • OKワードだけ使い、NGワードは封印する
  • 全部やろうとしない。一つだけ始める

塾講師から一言

ポン先生
ポン先生

15年、2,000人以上を見てきました。

正しいやり方で、正しい量をこなした子が伸びなかったことは、一度もありません。

お子さんの英語長文は、必ず変わります。一緒に頑張りましょう。

よくある質問

どのタイプから手をつければいいですか?

✅が一番多かったタイプから。やることは、一つずつで十分です。

全部当てはまる気がします。

複合タイプです。一番多いタイプの対処法を、一つだけ始めてみてください。

教材は3冊とも必要ですか?

いいえ。タイプに合った1冊だけで大丈夫です。やり切ることが一番大事です。

どれくらいで効果が出ますか?

個人差はあります。ただ、正しいやり方で毎日続ければ、数週間〜数ヶ月で変化を感じる子が多いです。

まとめ

英語長文が読めない子は、3タイプ。
タイプを見極めて、合った対処を一つだけ始めれば、必ず変わります。

読み方を知らないだけ。
量が足りないだけ。
地図の作り方を知らないだけ。

どれも直せます。まずは今日、一つだけ。

このブログでは、塾で15年・2,000人以上を見てきたリアルな話を届けています。
次回もお楽しみに!

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