英語長文が読めない子には、3つのタイプがあります。
そしてタイプによって、やるべきことが全然違います。
今までは「何をするか」をお伝えしました。
でも「うちの子には何から始めればいいか」は、タイプによって変わります。
タイプを間違えたまま対策を続けると、1年やっても変わらないことがあります。
だからこの記事では、まず9問でタイプを診断します。
そのタイプに合った対処法・教材・声かけを、順番どおりにお伝えします。
読み終わったとき「今日から何をすればいいか」が明確になる状態を目指します。
この内容は、塾で個別に指導している内容を、家庭で再現できる形にまとめたものです。
面談や授業で何度も伝えている内容を、順番・やり方・声かけまで含めてすべて言語化しています。
※塾で実際に使っている教材を紹介しています。
※リンクにはアフィリエイト広告を含みますが、紹介する教材は普段おすすめしているものだけです。
- 何をしても英語長文が伸びないお子さんがいる方
- 「うちの子は何から始めればいいの?」と迷っている方
- タイプ別に、対処法・教材・声かけまで知りたい方
- 読めない子は3タイプ。原因がそれぞれ違う
- タイプを間違えると、1年やっても変わらない
- タイプ別に「今日から何をするか」がわかる
はじめに——なぜタイプ診断が必要なのか
単語を覚えても読めない。
問題集をやっても伸びない。
返り読みを直したのに、まだ遅い。
こういう子に共通しているのは、原因の特定が間違っていることです。
風邪をひいたとき、症状によって薬が違いますよね。
頭痛薬を飲んでも、原因が胃腸炎なら治りません。
タイプAの子にタイプBの対処をしても、意味がありません。
むしろ遠回りです。
だから、まず診断から始めます。
タイプ診断(9問)

お子さんに当てはまるものに、✅を入れてください。
- □ Q1.わからない単語が出ると、頭が止まる
- □ Q2.読み終わっても、何の話か人に説明できない
- □ Q3.英語は授業と宿題以外、ほぼやっていない
- □ Q4.意味がわからないと、前に戻って読み直す
- □ Q5.記述問題で何を書けばいいかわからず、空欄が多い
- □ Q6.英語の長文を読む時間が、1日5分もない
- □ Q7.単語を一個ずつ日本語に訳しながら読む
- □ Q8.読んだ後に「なんとなく読んだ」感覚が残る
- □ Q9.長文問題集を買ったけど、続かなかったことがある
Q1・Q4・Q7=タイプA
Q3・Q6・Q9=タイプB
Q2・Q5・Q8=タイプC
一番✅が多かったグループが、お子さんのタイプです。
結果発表|お子さんはどのタイプ?

(Q1・4・7が多い)
英語が嫌いなわけではなく、むしろ真面目。
でも、その真面目さが裏目に出ています。
一語一語を完璧に理解しようとして、全体の流れを見失う。
悪いのは性格ではなく、読み方です。読み方を直せば、一気に変わります。
(Q3・6・9が多い)
やり方が悪いのではなく、そもそも英文を読む絶対量が足りていません。
自転車の乗り方を教わっても、漕がなければ乗れない。
それと同じ状態です。
毎日5分から始めるだけで変わります。難しい問題集は要りません。
(Q2・5・8が多い)
単語も文も読めている。
でも、読み終わった後に何の話か説明できない。
木は見えても、森の形が見えていない状態です。
記述の空欄が多いのもこのタイプ。
地図の作り方を覚えるだけで、点数が一気に変わります。
どれも同じくらいついた人は「複合タイプ」です。
一見大変そうですが、優先順位をつけて一つずつ直せば大丈夫。
✅が一番多かったタイプから始めてください。
| タイプ | こんな子 | まずやること |
|---|---|---|
| A 丁寧すぎる | 単語で止まる・戻る・訳しすぎる | 「捨てる」練習・時間制限 |
| B 量が足りない | 読む量が絶対的に少ない | 毎日5分・簡単な教材 |
| C 全体像が見えない | 読めるが何の話か言えない | 予測・段落メモ |
タイプA「丁寧すぎる読み方」の対処法
ステップ① まず「捨てる」練習をする
タイプAの子に、一番最初にやってもらうこと。
それは、わからない単語を「捨てる」練習です。
- ❌ 止まって考える
- ❌ 前に戻る
- ⭕「(?)」とメモして、先に進む
「(?)」は、読み終わった後に確認すればいい。
最初は気持ち悪いですが、1週間続けると慣れます。
ステップ② 「?」が何割あれば読めるか体感する
わからない単語に全部「(?)」をつけて読み、その数を数える。
そして、もう一度読んでみます。
「(?)」があっても、意外と話の流れはわかる、と気づきます。
単語が3割わからなくても、話の7割は掴めます。
これを体感した子は、わからない単語への恐怖がなくなります。
ステップ③ 制限時間を決めて読む
タイプAの子に効くのが、時間制限です。
「1段落2分以内」というルールを作るだけでいい。
時間があると、丁寧に読みすぎる。
制限があると、自然に「全部理解しなくていい」モードになります。
2分→1分30秒→1分と、少しずつ短くしていくだけで速くなります。
タイプB「圧倒的に量が足りない」の対処法
ステップ① 5分を死守する
タイプBの子に、一番最初に言うこと。
「30分やろうとしないでください」
30分やろうとするから、続かない。
5分でいい。
毎日5分を死守します。
寝る前の5分、スマホを置いて英文を1題読む。歯磨きと同じ感覚で大丈夫です。
ステップ② 「簡単すぎる」と感じる教材から始める
タイプBの子が陥りがちな罠。
難しい問題集を買って、続かなくてやめる。
これを何百回も見てきました。
スラスラ読めると楽しくなる。
楽しくなると続く。
続くと量が増える。
量が増えると速くなる。
この順番を崩さないことが大事です。
ステップ③ 読んだ記録をつける
タイプBの子に特に効くのが、記録です。
カレンダーに✅をつけるだけでいい。
連続記録が続くと「途切れたくない」という気持ちが生まれます。
ゲームのログインボーナスと同じ心理です。
三日坊主を防ぐ、一番シンプルな方法です。
タイプC「全体像が見えない」の対処法
ステップ① 読む前に「予測」する
タイプCの子に、一番最初にやってもらうこと。
読む前に、タイトルと最初の1文だけ見て「どんな話だと思う?」と予測します。
予測があると「やっぱりそうか」「あれ、違う方向だ」という気づきが生まれます。
地図を持って歩くか、地図なしで歩くかの違いです。
予測が外れても大丈夫です。
ステップ② 段落ごとに一言メモを書く
段落を読んだら、余白にこの形でメモします。
「(登場人物・テーマ)が(どうした・どう思った)話」
例:「科学者が地球温暖化の原因を説明している話」「主人公が友達との別れを悲しんでいる話」
主語と述語だけでいい。難しく書かなくて大丈夫です。
このメモが、設問を解くときの地図になります。
ステップ③ メモを見て「全体を一文で言う」練習
全段落のメモが揃ったら「つまりこの文章は〇〇の話」と一文でまとめます。
うまくまとめられないのは、まだ地図が完成していないということ。
どのメモが足りないかを確認して、その段落だけ読み直す。
これを繰り返すと、全体像を掴む力が自然についていきます。
実際におすすめしている教材3冊

本屋に行くと問題集が多すぎて選べない、
という声をよく聞きます。
これだけ買えば大丈夫、という3冊を紹介します。
タイプA・C向け|「入試完成シリーズ 英語長文問題の解き方」(好学出版)
返り読みを直したい子・全体像を掴む練習をしたい子に、最初に渡す1冊です。
- 1題が短く、短い文章からスタートできる
- 解説が丁寧で、どこで詰まったか自分でわかる
- 段落構造が見やすく、メモ練習に向いている
タイプB向け|「中学 標準問題集 英語長文」(受験研究社)
量が足りない子に渡す1冊です。
「続ける」ことを考えて作られています。
- 繰り返し演習につながる
- レベルが低めから始まり、挫折しにくい
全タイプ共通|「サミングアップ 中学英語」(エデュケーショナルネットワーク)
仕上げとして使う1冊です。
①か②で基礎を固めてから進んでください。順番が大事です。
- 総合問題として適切
- 解説が丁寧で、自学しやすい
- 記述問題の練習が充実。タイプCの仕上げに最適
3冊全部は買わなくていいです。
お子さんのタイプに合った1冊だけ。
本棚に積まれた問題集より、1冊やり切った経験のほうが100倍大事です。
保護者の声かけ集(NG・OK)


シーン別の声かけをまとめました。
NGとOKをセットで覚えてください。
| シーン | ❌ NGワード | ⭕ OKワード |
|---|---|---|
| 内容がわからないと言う | ちゃんと読んだの? | どんな話だったか、一言で教えて |
| 問題集が続かない | また三日坊主。やる気がないの? | 今日5分だけやってみよう |
| テスト前に焦っている | なんでもっと早くやらなかったの | 今からできることをやろう。何から始める? |
| 点数が上がらず落ち込む | 勉強してるのに、なんで上がらないの | 点数より、前回より変わったことある? |
責めない。
確認するだけ。
次の一手は子どもに決めさせる。
点数(結果)ではなく、成長(プロセス)を一緒に見つける。
「返り読みが減った」「最後まで読めた」「段落メモができた」——どれも立派な成長です。
点数は、後からついてきます。
おわりに
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。
長かったですね。
最後まで読んだということは、それだけお子さんを真剣に考えている証拠です。
それだけで、十分です。

この記事のことを、全部やろうとしないでください。
当てはまったタイプの対処法を一つだけ。
教材は一冊だけ。声かけは一つだけ。
全部やろうとすると、全部続かなくなります。
英語長文が読めない子は、読む力がない子ではありません。
読み方を知らないだけ。
量が足りないだけ。
地図の作り方を知らないだけ。
どれも、直せます。
今日から、一つだけ始めてみてください。
- タイプA「丁寧すぎる子」→ 捨てる練習・時間制限
- タイプB「量が足りない子」→ 毎日5分・簡単な教材
- タイプC「全体像が見えない子」→ 予測・段落メモ
- 教材は1冊だけ買う。全部は買わない
- OKワードだけ使い、NGワードは封印する
- 全部やろうとしない。一つだけ始める
塾講師から一言

15年、2,000人以上を見てきました。
正しいやり方で、正しい量をこなした子が伸びなかったことは、一度もありません。
お子さんの英語長文は、必ず変わります。一緒に頑張りましょう。
よくある質問
どのタイプから手をつければいいですか?
✅が一番多かったタイプから。やることは、一つずつで十分です。
全部当てはまる気がします。
複合タイプです。一番多いタイプの対処法を、一つだけ始めてみてください。
教材は3冊とも必要ですか?
いいえ。タイプに合った1冊だけで大丈夫です。やり切ることが一番大事です。
どれくらいで効果が出ますか?
個人差はあります。ただ、正しいやり方で毎日続ければ、数週間〜数ヶ月で変化を感じる子が多いです。
まとめ
英語長文が読めない子は、3タイプ。
タイプを見極めて、合った対処を一つだけ始めれば、必ず変わります。
読み方を知らないだけ。
量が足りないだけ。
地図の作り方を知らないだけ。
どれも直せます。まずは今日、一つだけ。
このブログでは、塾で15年・2,000人以上を見てきたリアルな話を届けています。
次回もお楽しみに!

