少し正直な話をさせてください。
これまでの記事では、叱り方・褒め方・声かけ・仕組みについて「何をするか」をお伝えしてきました。
この記事では、そこから一歩進めます。
「うちの子の場合、具体的に何をすればいいか」まで落とし込む完全マニュアルです。
現場のリアルが詰まっている分、そのまま使える内容になっています。
読み終わったとき「今日から何をすればいいか」が明確になっていれば、この記事の役割は果たせています。
- 9問の診断でわかる、お子さんの3タイプ
- タイプ別の具体的な対処法(叱り方・褒め方・仕組み)
- そのまま使えるシーン別NGワード・OKワード集(10場面)
- 家庭環境を整える仕組みチェックリスト
この記事は、次の5ステップで進みます。
順番に進めるのがおすすめです。
- ステップ1:タイプ診断
- ステップ2:タイプ別の対処法
- ステップ3:シーン別NG・OKワード集
- ステップ4:仕組みチェックリスト
- ステップ5:まとめ
ステップ1:タイプ診断(9問チェック)

まず、お子さんのタイプを診断します。
次の9問のうち、当てはまるものをチェックしてください。
【Aグループ】
- Q1.「宿題やった?」に即答するのに、実はやっていない
- Q2.テストの点数を隠す・見せたがらない
- Q3.怒ると黙り込む・その場しのぎの返事をする
【Bグループ】
- Q4.褒めても「別に」と流す・嬉しそうにしない
- Q5.結果を褒めても次につながらない
- Q6.何をやっても続かない・三日坊主が多い
【Cグループ】
- Q7.「やる気が出たらやる」が口癖
- Q8.勉強を始めるまでに時間がかかる
- Q9.やり始めると悪くないのに、なかなか取り掛からない
チェックが一番多かったグループが、お子さんのタイプです。
どれも同じくらいなら「複合タイプ」
一番多いタイプから始めれば大丈夫です。
診断結果:3つのタイプ
| タイプ | 特徴 | 本当の原因 |
|---|---|---|
| A:怒られないために嘘をつく子 | 「やった」と言うのに実はやっていない | 怒られるから正直に言えない |
| B:褒めても響かない子 | 「すごいね」が効かなくなっている | 褒め言葉が薄い・慣れすぎ |
| C:やる気が出ない子 | やる気待ちで動き出さない | 動き始める仕組みがない |
どのタイプも、悪いのは子どもではありません。
叱り方・褒め方・仕組みを変えれば、必ず変わります。
3つ全部あてはまっても、3つ全部直せます。
ステップ2:タイプ別の対処法

タイプA:叱り方を変える
タイプAの子に最初にやってほしいのは、怒る前に1秒待つことです。
「宿題をやっていなかった」と発覚した瞬間、怒鳴りたい気持ちをグッと1秒だけ堪える。
その1秒で、言う言葉を変えます。
まずは頭ごなしに怒鳴らず、子ども自身に「ダメだ」と気づかせます。

宿題やってなかった…。
ゲームしてたら忘れちゃって。

ダメだってわかってるよね?
わかってるならよし。
じゃあ次は、ゲームの前にやるかタイマーをセットしてみよう。
もう一つ大切なのは、「あなたはダメ」ではなく「その行動がよくない」と伝えることです。
「何回言えばわかるの!」は封印してください。
この言い方だと、子どもは自分自身がダメな人間だと受け取ってしまいます。
ダメなのは「宿題をやらなかった行動」であって、「あなた」ではない。
話を最後まで聞く、感情的にならない、理由を説明する—大人同士でやっていることを、子どもにもするだけです。
リスペクトを持って接すると、子どもは嘘をつく必要がなくなり、正直に話すようになります。
- 怒る前に1秒待てた
- 「それはダメだってわかってるよね?」を使えた
- 行動と人格を分けて伝えられた
タイプB:褒め方を変える
タイプBの子には、結果よりプロセスを褒めるのが効きます。
「100点とったね」より「毎日コツコツやってたもんね」のほうが刺さります。
結果には運もありますが、プロセスは本人の努力そのものだからです。

テストで80点のとき、
つい「なんで100点じゃないの」って言ってました…。

今日から変えましょう。
80点を取れた「プロセス」を褒めてあげてください。
そして「すごいね」だけでは、子どもはやがて慣れてしまいます。
褒め言葉のバリエーションを持っておくと、刺さり続けます。
下に保存版のリストを用意しました。
- 自分からやれたね、それが一番大事だよ
- 前より上手になってる!
- その工夫、ナイスアイデア!
- 諦めなかったね
- それ、難しかったのによくやった
- 気づいたんだね、それがすごい
- 続けてるのが一番えらい
- 失敗しても次に活かしてるね
慣れないうちは、考えた褒め言葉を鏡の前で声に出して練習してもいいです。
ぎこちなくても大丈夫。伝えようとする姿勢は、子どもにちゃんと届きます。
- 結果よりプロセスを褒められた
- 褒め語彙リストから1つ以上使えた
- 鏡の前で練習してみた
タイプC:仕組みを作る
タイプCの子は、やる気がないのではなく、動き始める仕組みがないだけです。
次の4つを、ハードルの低い順に取り入れてください。
- とりあえず座る…「机に座る」だけでOK。座れば手が動き出す(暖機運転)
- 最初の1問だけ…1問解くと続きが気になる。「あと1回だけ」の心理
- 記録をつける…「数学3問」の一言でOK。連続記録が途切れたくなくなる
- 「やめていいよ」の逆張り…終わりを決めると、逆にもう少し続けたくなる
- 「とりあえず座る」ルールを作った
- 「1問だけ」を実践した
- 記録をつけ始めた
ステップ3:シーン別NGワード・OKワード集

塾で保護者の方に一番喜ばれるのが、この声かけ集です。
NGとOKをセットで覚えてください。NGワードは今日から封印です。
| シーン | ❌ NGワード | ⭕ OKワード |
|---|---|---|
| ①宿題をやっていなかった | 何回言えばわかるの! | ダメってわかってるよね?じゃあ次どうする? |
| ②テストの点が悪かった | なんでこんな点数なの | 点数より、前回より変わったことある? |
| ③勉強を始めない | 勉強しなさい | 今日は何をやる予定? |
| ④やったと言うのに実はやってない | 嘘ついたでしょ! | 一緒に確認しようか。どこまでやった? |
| ⑤三日坊主で続かない | また三日坊主。やる気ないの? | 今日は5分だけやってみよう |
| ⑥テスト前に焦っている | なんで早くやらなかったの | 今からできることだけやろう。何から始める? |
| ⑦点が上がらず落ち込む | 勉強してるのになんで上がらないの | 点数より、続けてることがすごいよ |
| ⑧「わからない」と諦める | それくらいわからないの? | どこまでわかった?どこからわからない? |
| ⑨頑張っても結果が出ない | やり方が悪いんじゃないの | 頑張ってるの、ちゃんと見てるよ |
| ⑩「もう勉強嫌い」と言う | そんなこと言わないの | そっか。何が一番嫌い? |
OKワードに共通するのは「責めずに、次を一緒に考える」姿勢です。
過去は変えられませんが、今から何をするかは子ども自身に決めさせる。
それだけで会話が前向きに変わります。
ステップ4:仕組みチェックリスト

今の家庭環境をチェックしてみましょう。
当てはまるものを数えてください。
【環境チェック】
- 勉強する場所が決まっている
- 勉強する時間帯が決まっている
- 勉強中はスマホをリビングに置くルールがある
- 勉強した記録をつける仕組みがある
- 終わりの時間が決まっている
【声かけチェック】
- 「勉強しなさい」を今日から封印できる
- 「今日何をやる予定?」を使える
- 結果よりプロセスを褒める言葉を1つ以上持っている
- 褒め語彙リストから1つ今日使える
- 失敗したとき、行動と人格を分けて伝えられる
| チェック数 | 今やること |
|---|---|
| 10個 | 完璧な環境。あとは続けるだけ |
| 7〜9個 | 足りない1項目を今週中に整える |
| 4〜6個 | 環境・声かけの少ない方から整える |
| 0〜3個 | 今日から1つずつ。気づいた今日が一番早い |
0個でも大丈夫です。
この記事を読んだ今日が、気づいた日。気づいた今日が、一番早い日です。
塾講師から一言

最後に一つだけ。
全部を一度にやろうとしないでください。
一番あてはまったタイプの対処法を1つ、OKワードを1つ、今日使う。
それだけで十分です。
全部やろうとすると全部続かない—15年で何百回も見てきました。
よくある質問(FAQ)
Q. 複数のタイプに当てはまります。どれから始めれば?
チェックが一番多かったタイプから始めてください。1つが整うと、他のタイプにも良い影響が広がります。同時進行は続かないので避けましょう。
Q. NGワードをつい言ってしまいました。もう手遅れですか?
手遅れではありません。大切なのは”次の一言”です。言ってしまったと気づいたら、その場でOKワードに言い直すだけでも、子どもへの伝わり方は変わります。
Q. 声かけを変えても、すぐには変わりません。
効果が見えるまでには時間がかかります。数日〜数週間は「変わらなくて当たり前」と思って続けてください。子どもは、大人が思うより言葉をよく覚えています。
Q. 兄弟でタイプが違う場合は?
それぞれのタイプに合わせて対応を変えて大丈夫です。同じ声かけでも、響く子と響かない子がいます。この記事の診断を、お子さんごとにやってみてください。
まとめー今日、ひとつだけ始める
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。
最後まで読めたということは、それだけお子さんのことを真剣に考えている証拠です。
それだけで十分です。
- タイプA(嘘をつく子)→ 怒る前に1秒・行動と人格を分けて叱る
- タイプB(褒めても響かない子)→ プロセスを褒める・語彙を増やす
- タイプC(やる気が出ない子)→ 座る・1問・記録の仕組みを作る
- NGワードは封印、OKワードを1つ今日使う
- 全部やろうとしない。今日ひとつだけ始める
自分から動く子は、特別な子ではありません。
正直に話せる環境がある子、褒め言葉が刺さっている子、動き始める仕組みがある子。
その環境と言葉と仕組みは、今日から作れます。
このブログでは、塾で15年・2,000人以上を見てきたリアルな話を、これからも保護者の方に届けていきます。
お子さんの毎日を、今日から少しずつ変えていきましょう。

